2020年 12月 2日 09:00
シェンムー
リアルに再現された80年代の横須賀の街の一角を舞台に、主人公・芭月涼が、青銅鏡を巡って活躍する、オープンワールドアドベンチャーである。
大量のフラグ、モーションキャプチャー、ボイス、ロケーションを作りこみ、現代の日本の街をリアルに再現している。これは当時、NHKで特集が組まれるほどの画期的な取り組みであった。
現代に近い世界を3Dで再現したオープンワールドゲームの先駆け的存在であり、ファンタジー世界を舞台としていたTESシリーズや、2DグラフィックだったGTAシリーズなどのそれまでのオープンワールドゲームとは一線を画す内容で衝撃を与え、2001年発売のGTA3や、その後セガが世に放った龍が如くシリーズなどに多大な影響を与えた。
当時としては画期的だったその自由度から、新ジャンル『FREE』を自称していた。
現在の最新タイトルに比べると、行動範囲は狭く、グラフィックの美麗さでは劣るものの、写真や駄菓子の一つ一つを手に取って見られるほどの細部までが作りこまれている。特に、NPCは実に数百人いるにも関わらず、それぞれ多種多様な動きがモーションキャプチャーで再現されているうえ、フルボイスで会話する。また、一人一人が生活習慣をプログラムされており、非常にリアルな街を再現している。
時間経過と天候の変化の描写も評価が高い。さらには、ゲームセンターでSEGAのアーケードタイトルをそのままプレイ出来ると言うアイデアも当時としては画期的であった(第一章ではスペースハリアー、IIではアフターバーナーなど)。